サウスポーの言葉の由来
2019/09/04
野球やボクシングなどで左利きの選手のことを「サウスポー」と呼びますね。
当たり前のようにサウスポーという表現を使っていますが、どうしてサウスポーと言うんでしょう?
一般的な左利き表現はleft-hander
左利きの人を表す英語として最も一般的なのは「left-hander」や「left-handed person」です。
「left」や「hand」という単語が入っているので、日本人にもパッと見で左利きを指す表現であることが想像できますね。
サッカーやラグビーでは左利きの選手は「lefty(レフティ)」という言葉がよくつかわれます。
これもleftが入った単語なので、左利きを表していることが想像しやすいです。
こちらも英語で左利きの人を表す表現として使われます。
ちなみに「lefty」は「左派の人」という意味もあります。
でも、サウスポーには「左」を表すような表現が入っていないですよね。
動物の手?
サウスポーは英語にすると「southpaw」。
この単語は「south」と「paw」の2つの単語が組み合わさってできています。
「south」は「南」。
方角を表す東西南北の南です。
これは多くの方が知っているでしょう。
「paw」は「手」です。
ただ、手と言っても、爪のある動物の前足を表す表現です。
本来は動物の手という意味ですが、サウスポーという言葉では人の手を表しているのです。
ということで、southpawは直訳すれば南の手になります。
野球場の向き
どうして左利きがサウスポーと呼ばれるようになったのか。
語源としてよく言われているのが、野球場の向きによるものです。
野球場は太陽光がバッターの目に入らないようにするため、西南西側にバッターボックスを用意します。
ピッチャーマウンドの西南西にバッターボックスがあるということは、ピッチャーの左側は南南東になりますね。
ただ、左ピッチャーがボールを投げる際の手の位置は、マウンドの左からは少し前方に傾きます。
それが、おおよそマウンドから見て南側の方角なんです。
そこから、「sauth(南)」の「paw(手)」で「sauthpaw(サウスポー)」という言葉ができたと言われています。
ちなみに、サウスポーという言葉は、1891年にスポーツライターのチャールズ・ シーモアが初めて使ったとされています。
決定打はないんです
サウスポーの言葉の由来として最もよく聞かれるのは野球場の向きによるもの。
しかし、野球場の説が正解だと決定づけられているわけではないんです。
もう1つ語源として言われているのが、左投手の出身地によるもの。
昔のメジャーリーグの左投手はアメリカの南部出身が多くいて、そこからサウスポーと呼ばれるようになったとも言われています。
野球場の向きであれ、投手の出身地であれ、「左(left)」という単語を使わず左利きを表す言葉が作られているのは面白いですよね。